20150419
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20150419
ギルガメッシュ
ナガト×ロックさん



 豪奢な寝台に投げやりに身を沈めながら、初代銀河皇帝(公的な現状は、死人だ)に言う。

「手短にすませてくれないか。レティが心配する」
「は。おやさしいことだな」
「……ナガト」

 厭世的な物言いをとがめるつもりで名を呼ぶと、男はあえてそれを無視した。ぎしりとベッドのスプリングが音を立てる。

「嫌とは言わせん」

 ナガトの大きな手のひらが、ぼくの顎を掴む。強引に顔を上げさせられ不愉快さに身を捩ると、ナガトは腰に腕をまわして距離を詰める。

「たかが暇潰しだ」
「――無意味だよ、ナガト」

 まったくなんの意味もない。ぼくを抱いてどうしようっていうんだ。

「だから良い」
「小姓にでもしてやればいい、支配欲を満たしたいならていの良いのが大勢いるだろう」
「ほお?」
「何故ぼくなんだ」

 ナガトはあきれたような顔をした。

「本気で言っているのか?」
「きみがぼくと寝たがる理由がわからない」
「ならお前は何故ガキの格好をする?」
「きみの知ったことじゃない」
「それと同じさ」

 男の口は葉巻とウイスキーの味がした。


 ナガトだってバカじゃない、あからさまに寝室に通すような真似はしない。何せ今のぼくは公的には「マイノック公セテ」、「ナガト前帝の第二子」だ。
 中枢から離れたところにひっそりと住んでいるナガトはその存在じたい既に死んだもの、トレスの在位を揺らがさぬようにと最低限の人間以外は彼を知らない。
 セテの使いのふりをするとか、まったく別人の姿になるとかさまざまだったけれど、とにかくぼくはいつも彼に請われて抱かれた。
 ぼくは至極まっとうにヘテロ・セクシャルだし、彼だとて特別そんな性癖があるわけではないらしい。

「おまえは人じゃない」
「……ぼくは人間だ。きみと同じ」
「ああ、そうだとも。ひとのようなふりをした化け物さ」

 ひどくねっとりした物言いで厭味たらしく言うものだから、ぼくはそれを聞き流す。
 それからはほとんど会話らしい会話はない。惰性というほど平和じゃないけれど、腐りきっている。
 彼にとってはそれは行き場がなくなった激情の処理にすぎない。酔った勢いでごまかされるほどの、つまらない些末なことだ。
 ぼくはそれが嫌だった。
 所有しているのだと身勝手で的外れな関係を押し付けられるようで、その程度のモノだと言われているようで、彼が軽薄であればあるほど憂鬱な『作業』になった。
 本当は、触れられるのも嫌だった。さりげなくぼくの思考を読み取ろうとする、それがぼくに悟られていると知ったうえでわざとそうする。許されているという免罪符でも欲しいのだろう。
 その晩ぼくはついに言った。彼の腕の中で、不思議なほど穏やかな気持ちに包まれながら。

「ぼくは、きみを愛したりはしないよ。たぶん、ずっと、きみが死ぬまで」
「……ひどいことを言う」
「きみのものになるのはいやだ」

 このまま流されてしまえばいずれそうなる。そうなってもすぐに終わることだと囁く自分に気づいてはいるけれど、それでも。 
20150222
まれびと




ごくまれにやってくるその「稀人」は、しかしいおれの頼んだ時には絶対に来ない。
許可なしには家人さえ入れないようになっている我が仕事場に、彼はいつも易々と入り込む。
セキュリティ・システムを何度更新しようが同じだ。彼にはドアも壁も、どんな鍵も関係がない。不法侵入だとか、たまには正面から入れとか責めても、いたずらっぽく笑って聞き入れない。きみの部屋の窓が好きなんだ、とかなんとか言って。
突然、と言っても時期はだいたい予想がつく。こちらの仕事がひと段落して、彼の求める情報が出そろった頃だ。そうとわかっていても、おれは彼の訪問を「イレギュラー」だととらえていた。
いつしか彼の訪れはひとつの楽しみとなっていた。

何度めかの冬、寒いねと笑いながらヒーターのそばに近寄ってきた彼の肩を抱いて、耳元にささやくようにして言った。

「あんたはいつか消えてしまうんじゃないか」

彼はすこし困ったように首を傾げながら、馬鹿なことを言うね、と言ってそれきり黙ってしまった。おれがなにをしても、なにも言わずに受け入れた。
彼の肌は人間の温度をしていたけれども、目はいつまでも冷たいままだった。





やわらかそうな緑の髪が揺れるのを眺めていると、まるで清涼な空気とさわやかな木々の香りにつつまれているような気がしてくる。
とりたててうつくしい、という顔立ちではなく、所作も楚々としていて一見目を引くような人物ではない。あまり陽に当たらないのか血管が透ける白い肌、そして彼は少年の姿をしている。
彼はひと肌をおそれなかった。だからおれは、勘違いをした。悲しいくらに馬鹿で愚かで間抜けな勘違い。彼がおれを許しているのは、愛しているから、なのだという。

「好きだよ、ロック」
「……」
「もしあんたのなかでおれが永遠になれたら、おれはそれだけでいいよ」

おれはそのとき心からそのつもりで言った。 けれどもロックはクツと喉で笑うと、ゆるりとこっちを見上げた。

「きみは、ほんとうに、ばかだな」

ひとつひとつ、赤子に言ってきかせるように音をくぎって発音する唇はあおく裂けて、まなじりは怒りか恥辱かで橙に光った。彼はほとんど絶望していた。
血の気が失せた頬には傷もないのに、眉間に深い谷ができていて、ひどく歪んでいる。なにがそんなに痛いのだろう。

「ロック、」
「やめてくれ」

近寄ろうとしたのを、かすかな、本当にかすかな声でさえぎられる。来るな、と、風にかき消されそうなちいさな訴えで。

「ほんとうに、いやなんだ」

寄る辺なく弱々しい、不安定に揺らめいた文句がおれの腕を突き刺す。

「すまない」

謝っても、流れた血は帰らない。わかっているけれど、自分の落としたものが惜しくて、謝らずにはいられない。
ロックはおれを許してはくれなかった。たぶんはなっから、彼はおれを許してなどいなかった。

「永遠だなんて、きみの思うようなものじゃないよ」

吐き捨てる語気の荒さにどうしたらいいかわからない。おれは彼に距離をとられたらどうしようもないんだと、いまさらながらに気がついた。
焦って抱き寄せようとすると思い切り振り払われる。おれはほとんど泣きそうだった。

「だめだよ、もう」
「どうして」
「だめなんだ」

そう言って目を逸らす。腕をとって顔を近づけても今度は彼は突き飛ばさない。ただやんわりと拒むだけだ。

「もう、忘れるといい。ぼくはきみの客ではなく、きみはぼくの友でもない」
「ロック」
「ぼくももうここには来ない」

淡々と言い放つと、ロックは最後におれに向かって微笑んだ。

「馬鹿な子。それでも、かわいいと思っていたのに。どうしてこんなことをしたんだ」

彼が煙のように消えてゆくのを、おれは呆然と眺めることしかできなかった。
20141220
諦念プシガンガ
ゆぎお。



 たった一晩の幻影だとあの男は言った。
 瀬人はもう十五回死んでいる。たったいま、十六回になった。



 巨大な獣に首を、太い爪で掻き切られた。自分の骨が折れる音を聞く。後から反響するエコーのように痛みが襲う。ああ、痛い。熱い。苦しい。寒い。
 これは死だ、と瀬人はもう知っていた。十六回目の「死の体感」。赤い目のあの男はこれは一晩で終わると言った。人間がひとり死ぬのに一晩も必要だと思ったわけはない。苦痛の一瞬を一晩舐め続けるのがあれの言う罰ゲームなのだ。あと何度。瀬人の思考は時間を失っている。もとよりこの夢のような世界に時間の感覚などない。
 首が吹き飛んで、意識はどこに残るのだろう。痛みはどこから来るのだろう。
 思考が途切れず続くのは、死、を感じた一瞬後、それこそ恐怖と痛みが肉体と精神に染み渡ったのちに、ふと気がつくと戻ってきているからだ。高校の教室、最後列から二番目、廊下側のあの席に。傷ひとつなく、真新しいままの制服で。
 瀬人の生還を待つのは異形の獣たち。意思も思索も何もない、ただ死を与えたがっている獣共だ。それらはよだれを垂らして獲物を待っている。瀬人は、無駄だと知っているのに逃げ出さずにいられない。椅子を蹴倒して後ろに逃げる。喉を嗄らして悲鳴をあげる。獣たちは歓喜の咆哮を上げて瀬人の脆い身体に牙を立てる。

「ああああああ」

 瀬人は叫んだ。意味のない言葉を無茶苦茶に。獣がぎろりと剥いた歯は黄色く濁り歯茎には膿がたまってひどい悪臭を撒き散らし、瀬人は本能で喚き散らす己を心の底から軽蔑した。だが無意味だ。

「あああ、あ、あ゛っ、が」

 今度は腹に突き刺さった。牙か、爪か。瀬人にはわからない。痛みに頭が支配される。奴らは瀬人を捕食するつもりはない。誰かの牙をにかかったとしてもほかの獣はまだ瀬人を殺す気でいる。
 痛い。痛い。痛い。
 つらい、苦しい、恐ろしい。
 そんな感情は久しぶりだ。義父が死んで以来、恐怖など忘れていた。五臓六腑に染みて行くその感情、瀬人は鼻の奥に紫煙のにおいを嗅いだ気がした。目がくらむ。
 床を引きずられ、踏み潰され、瀬人はまだ生きている。明滅を繰り返す切れかかった電球のように心許なくも、瀬人はもはや呼吸すら満足ではない口で、訴える。
 貴様ら、雑魚ども、ただの、ばけものの分際で。この、オレを、殺すというのか。ふざけるな。
 ふざけるな、ふざけるな!
 オレは生きる。まだやらなければならないことがある! オレでなければならないことが!
 あの男、まずはあの男を。この痛みを苦しみを与える男が。憎い。憎い。憎い。オレは、オレは。
 魔物は喚く瀬人を捕まえ、高らかに吠えては四肢を裂く。気が狂うほどの地獄の中で、すこしずつ殺されるのを瀬人は何故か懐かしく思う。ずっと、ずっと昔から瀬人はこれを知っている。これは死。これが死だ。
 十七回目の死。瀬人は事切れた直後にまた、教室で目覚めた。



 襲いかかって来たモンスターが自分のデッキに組んだカードと同じだと気がついたのは、その血を身に浴びてからだった。瀬人を食い千切ろうとした獣の顎を掴んで引き裂いたときに受けた、赤い血液。もはや自分の流したものかどうかもわからない。初めの何回かの死まで無抵抗だった瀬人だったが、今ではどうにか生き延びようとする意思があった。ただで殺されてやるものか。生き延びて、生きて、せめて一矢報いてやる。それがいたずらに苦しみを引き延ばしている言うのなら、それでも構わない。無遠慮に己を踏み躙る輩を、許して置くわけにはいかない。
 千切れた腕を捨て、裂けた腹を抑えながら、瀬人は歩いていた。襲いかかるモンスターの数は減っている。モンスターの血を頭から浴びたからかもしれない。ここは獣の臭いしかしない。同時に、ここにはあの白い龍がいないことを瀬人は知っている。当然だと思っている。こんな汚らわしいところは、ブルーアイズには似合わない。
 煙草のにおいはもうしない。オレが消してやったんだ。

「海馬」

 頭上から声がした。
 瀬人はその声が耳に入った瞬間に、目を剥いて見上げた。そこには小高い崖があった。瀬人は突き出した岩場に片腕で掴まり、どうにか這い上がろうとした。何か考えてのことではなくほぼ無意識に、そうせねばならないと思った。土が割れた爪の中に入っても構わなかった。
 声の主は瀬人のことをどこかで嗤っていた。瀬人は、それがどうしても許せない。
20141119
ドゥ・ヤ・シング4
★ザ・スワッガ


理想とは違うが萌えに突っ走った結果の紫vsルパン

「ルパンさん。どうしたのそんなところで?」
「紫さんにだけは伝えておきたいことがあって、引っ返してきた。カッコウワルイことするけど、勘弁してくれよな。大人ってカッコウワルイの」
「あら、ふふふ。何のご用?」
「あのね、オレはあんたが憎たらしい」

少女は笑顔を凍らせた。

「オレの大事なものを、何の気なしに奪っていくあんたが憎い。恋愛とか結婚とかそういうあったかいもので、あいつを連れてくあんたが憎い。オレがあいつにやれなかったものであいつをさらうあんたが憎い、どうしようもなく憎たらしい。オレはあいつにいちばん信頼されているのが誇らしかったしその信頼を勝ち取るためならほかになんだってしてやることができた、あいつはそんなものを求めちゃいなかったが。あいつはオレをただ信じて見返りなんて欲しがらなかった。それがようやっと俺のためになんとかしろとか助けろとかあれが食いたいとか言うようになったのはつい最近で、なんというか、つい無茶苦茶に可愛がっちまった結果飛び立っちまってオレサマナイチャウヨ」
「泣かないでルパンさん」
「あんがと優しいね紫さん」

少女は俺の目元をピンクのハンカチでそっと拭った、綺麗に折りたたまれたハンカチがさっと出てくるのもさすがだった。

「あたしはね、ルパンさん。あなたが妬ましい」
「へ」
「あのひとはこのごろ自分のことを話してくれるようになったの。いちばん最初はあなたと次元さんと不二子さんのこと。一緒にいてとても楽しい人たちだって言ってた。いままでどこへ行ったとか何を見たとかあれが楽しかったとかこれは腹立たしかったとか、こういうのはよくないとかこういうのはいいとか、とにかくビックリするくらい饒舌にたくさんのことを話してくれるの。だんだん昔に遡るようになって口も重たくなったけど、あたしのためになんとか話してくれるの。するとあのひとはね、息の仕方を忘れてしまうの。いきなり止めてしまうんじゃないけど、ちょっとずつ胸が苦しくなるみたいにして拳に力が入ってしまうの」
「……あいつが」
「あのひと言ってたわ、自分はもともと暗くて深くて重たい沼の中にいて、そうと気付かず必死に踠いて、それを生きるということなのだと思い込んでいたって。思い出すととても気が沈むからあまり考えないようにしているけれどつらいことばかりだったみたい、いまになってひどく傷つくほど。不器用な小さい子みたいにポツリポツリと絞り出す昔話をあたしは止めない。あのひとがそうして吐き出したすえに、いまは違う、と気がつくまでは。あなたのおかげであの泥沼から抜け出すことができたと、あのひとが笑うまでは」

少女はにっこりと笑う。

「だからあたしは妬ましいの。あのひとを助けたのがあなたであることが」
「……オレたち仲良くなれそうね」
「ええ、とっても」



彼女の元から五右ェ門を盗んだとしたらいったいどうなるのだろう、と似合わない想像を、する。柄じゃあないのは自分が一番知っている。オレはただ惜しいだけなのだ。
五右ェ門に憎まれるのは悪くはないが、五右ェ門に嫌われるのはちょっと嫌だナ。





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20141117
ドゥ・ヤ・シング3
★スタイロ




正直に言うとオレは滅茶苦茶に腹を立てていた。相手がただの女でなければつかみかかっていたもしれない。そのくらいオレはキレていた。
今日、五右ェ門は結婚し、石川を捨てて婿に入る。だからオレは怒っていた。嫁にも石川にも社会にもとにかく何にでも。ここが神社でなければガラスをぶち割っていただろうし正直今でも目が勝手に破壊しやすそうなものを探している。
そんな破壊衝動から逃れるためにオレはいつにも増して軽口を叩きそうな意識をなんとか止めることに集中していた。ある程度は気が紛れたが次元がやたらにオレの顔色を伺っていたので成功したとは言い難い。
そのうち紋付袴の五右ェ門が挨拶に来た。

やあ色男。

とでも言おうとして顔を上げてみてオレはギョッとした。わかってはいたが五右ェ門の後ろには父親らしき男と母親らしき女が立っていて、そのさらに後ろには親戚の集まり。顔つきはあまり似ていなかったけれども五右ェ門がいやにきびきびと紹介するからオレ様の優秀な脳みそは全員の名前と関係をすっかり覚えてしまった。オレはかつての同僚ということになっていた。
石川の連中はそれでも話が通じているらしく警戒の気配を感じたが、一方墨縄一族郎党は新郎の身分に何一つ疑問を持っていないようだった。なるほど帯刀していない五右ェ門は育ちのいい次男坊らしく言葉遣いも柔らかで、婿養子に相応の謙虚さでいて、それでいておたつくこともなく落ち着いている。

「今日この日のため遠方から駆けつけてくださったと聞いています。愚息のために過分なお引き立て感謝いたします」
「はあ、これはご丁寧に」

気が利かなすぎる杓子定規な返答だった。五右ェ門は終始無言で、短い挨拶を終えた一族が去る列の一番後ろに立ち最後までオレをジッと見つめていた、穏やかな眼をしていた。オレの一番きらいな五右ェ門がそこにいた。
なんだか目頭が熱くなり、やがてそんな自分の感傷に死ぬほどビビって吐きそうになった。足の裏がむず痒くて次元に「お前の水虫が移った」とか言いがかりをつけまくった。次元はその間一言も言い返してこなかったので流石だと思った。ただオレが懐に手を入れたり出したりし始めたのを見てからは脂汗を垂らしながら必死に下手な冗談を飛ばしまくっていて、やっぱり次元はオレのことを誰より理解してるなとちょっと溜飲が下がった。
脳内では本殿を爆破するかそれともという妄想がはびこっていて、爪の先っちょの方でC4の起爆装置をチリチリやりだしたころに奴らは現れた。正直なところかなりホッとした、よかった、五右ェ門に嫌われずに済んだ。
娘をさらわれた五右ェ門はそれはそれは悲壮な様子でかわいそうに思った。列席した誰もが憐れみ励ましの言葉をかけていた。薄い唇を真っ白になるまで噛み締めては義理の父親に肩を叩かれ宥められているのをオレは見るでもなく見た。意外なことに石川はさっさと手を引いたらしく当日中に姿を消していたが五右ェ門との間にどんな取引をしたのか知れない。あいつらァ苦手だ。
ふんふん鼻歌まじりに壺を盗み出す算段を立てるオレを見て次元は何も言わずに手伝ってくれたのでやっぱり次元はオレというものを深く理解しているなと感動すらした、チューしてやりたいくらいだ。
ああそれにしても。こんなからくり程度一太刀でぶった切ってしまえるものをあれはそうしなかった。ほんとうにかわいそうな五右ェ門、お前にカタギはさぞかしつらいだろうよ。いいんだいいんだ、お前の代わりに手を汚すことなんかかまいやしない、かわいそうな五右ェ門。オレは楽しい悪党、お前は真面目な婿殿。
「なァ次元」
「何だ」
「あいつ、オレのことだけはいつか殺しに来てくれるかなァ」
次元が答えなかったのでオレはさみしくて泣いた。嘘だけど。
20141117
ドウ・ヤ・シング
★ロック・ザ・ハウス
ルパンはそれはもう、あのサムライ坊やをたいそう気に入っていた。
どうなんだあれ、と呆れる俺に不二子の奴は白い目で、あんたの時も似たようなものだったわよと吐き捨てた。マジかよけっこうショックだ。もっとハードボイルドなイメージだったのに。

あいつが仲間になって以来、ルパンはやれ畳だ襖だ掛け軸だとこれまでのインテリアとは真逆の方向性の家具を買い集め始めた。曰く付きの日本刀なんて屑鉄集め出したらどうしてくれようかと思ったら既に二三本抱えて「床の間に飾るならどれだと思う?」とか抜かす。床の間なんかあったかな。ああ作ったのか。え、いつの間に?
「五右ェ門ソファ使うかね」
「どうだかな……」
「俺の予想ではこっちのスツールに正座しちゃうね。それとも床か。でもまフローリングは譲れないからそこは教えてやりゃいいよな。アッそーだあいつ絶対草履脱いじゃう!裸足じゃ危ねえよなどうしよ!」
「……スリッパでも、買えばいいんじゃねえか……」
こうまでしなくとも結局五右ェ門は住みつかないと思う。向こう数カ月は縁切りお礼参りの日々だとか言っていたし、石川の家もある。俺のような流れ者とは違って。
「なんでもやつァ当主じゃねえらしいからな、もともと実家住まいでも無いっつってたが」
「次元いつの間に五右ェ門とそんな仲良くしてたわけ?ずるい!」
「気持ち悪いよおまえ」
「いいんだよ最初はそれで。あいつ自身がここにいたいと思うようにならなきゃな」
「都合悪いこと聞かない気か」
ルパンはくつくつと笑った。
「嫉妬すンない。可愛かないぜ」
「おーおー寝言言ってやがる」
「アレはな、そういうもんだよ。誰のところにも居つかないねキット。だからこそ……」
ホント、恐ろしいやつだよお前は。



★サウンド・チェック
「おや、珍しいな。新しいエモノたあ」
「ン。今度のヤマに必要かと思ってな、何本か見繕ってきた」
「フゥン?」
「へェ新兵器かい。これはなんて銘だ?」
「銘無し、昭和刀だ」
「あらほんとに珍し。曰く付きではないのけ」
「ごく普通だ。斬鉄剣は鉄を斬るもので人を斬ると曇りが出る。それでも並みの刀よりはよく斬れるが、取って返すときに鈍ではな。これは血脂も巻きにくい」
「ほんじゃこっちのは人斬り用かい」
「ああ」
五右ェ門はほとんど陶酔しかかった目で言う。
「快い業だ。これなら幾人でも斬れる」



★リ・ハッシュ
「白米じゃないと喉を通らないってのはつまり日本から長期間出られないようにさ」
悪趣味な。
そう言いたげに次元はシケモクを吐き出した。うん、まあお前はそう言うだろうよ。
「憶測だが、そう外れてもないと思うぜ」
何故ならオレでもそうするからさ。
何が美味くて何が不味いんだか、時間をかけて骨の髄まで言って聞かせる。それこそ百地のジジイのようにだ。
様々な師につき教えを請うた結果、武については五右ェ門の右に出るものはなかった。そこで師匠どもが何をしたかというと、五右ェ門をどうにか縛りつけようと躍起になった。人間並みの扱いをせず頭ごなしに怒鳴りつけ、あの手この手で自らを優位に見せる。唯一まともな人間と言える自然はしかし、その善良さがかえって五右ェ門を苦しめた。今の今まで小狡いところが全くないままでいたようだが、裏を返せば闇社会で生きていくのに相応しくないほど無策で、よくぞ今まで生きてこられたなと感心する。
血を吐くような思いをしてまで守る矜持。古惚けた武士の魂というやつか。
武士は食わねど高楊枝ともいうが。
「男をつかむにはまず胃袋からってな」




20141107
ファウスト
「なぜ、」

窓の外で泣く女がいる。ここはルパンのアジトのひとつで15階建てのマンションの角部屋だ。

そういうかたちのないものに好かれやすいたちなのは自覚している。修行のためにいわゆる霊験あらたかな地に足を運ぶこともしばしばあった。特段嫌悪感はなく、学んだわけではないが魂鎮めの真似事もしたことがある。
この手の性質を持つ者は不幸であるというのが世間の認識のようだが、俺にとってはすこし違う。

「なぜそんなところにとどまる」

場合によっては話も通じるし、害のないものが大半だ。
今夜の場合身体は動かせないが、口は回るようだ。寝起きの声でそれに語りかけると泣き声が止む。なるべく拒む意思のないことを示すために、ことさら柔らかい声音を意識する。

「何もせん」

それの意識が室内に向いた。
魂だけの存在でも消滅が怖いのか。誠に人間とは難儀なことだ。
女はか細い声で何事かを繰り返し呟いている。それは生者が恐ろしさのあまりに経を唱える姿とよく似ていた。そして彼らは拒絶されることを極度に嫌う。
俺は全身の力を抜いた。

「おいで……」

何かが変わった。空気の質のようなものが。遅れて饐えたにおいがし、閉じた瞼の裏でチカチカと煌めく影がある。
耳元で女の囁くのに俺は笑ってやった。霊魂の分際で、広い狭いがあるものか。先客のひとりやふたり、見逃してくれ。



翌朝、目の下に黒々と隈を作ったルパンが俺に言った。

「五右衛門よ、お前お客さんを連れて来るのはもうやめな」
「む」
「む、じゃねえ。夜中に電話鳴り響いて大変だったんだぞ」

電話なんか鳴ったか、と次元が言うのをルパンは無視した。

「オレァ科学の徒でもなんでもないが、安眠妨害されて黙っていられるほど大人でもねーのよ」

ルパンの言うことももっともだと思った。俺が頷いたのを見てルパンは不機嫌そうに目をすがめた。
20141104
マン・リサーチ


「いらん」

もうずっとこれである。

「あのねぇ、五右衛門。そりゃオレはお前と約束したよ日本に来たら和食を食わせてやるって、でも今の状態わかるでしょ、オレらはね追われてんのよ、丸3日と17時間23分よ、さすが銭さんしつこすぎるわなぁ、ああそんで見てみなよ次元なんかモク切れで可哀想になぁ指先痙攣してんよ、オレたちもう何にも食ってないわけよ、こんな窮地で苦労してなんとか手に入れた食料がこれよ?王侯貴族もかくやって品物よ?」

長らくヨーロッパで仕事をしていたルパンら三人は、たとえそこが地の底沼の底であろうがどうあっても日本米以外を口に運ぼうとしない五右衛門に手を焼き、予定にはなかったが日本のアジトへと向かった。最初に向かったのは元バーを改造した道玄坂の雑居ビルの地下で、三年ほど使用したものだったのだが、ドアを開けるとそこには銭形がいた。挨拶もそこそこに逃げるしかないルパン達を呵呵と笑い飛ばす声が今も耳に残る。
その次のアジトは錦糸町のサウナの下だったがそこにも警官がたむろしていて近寄れなかった。吉祥寺、北千住、要町、六本木…と都内の主要なアジトは概ね回ったが全てに銭形の捜査が入っていた。ここに至ってルパンは悟った。既存のアジトはもうだめだ、捨てるしかねえ。
というわけで、腰を落ち着けるヒマもないまま今に至る。汚い路地裏で拾った菓子パン一つを三人で囲んでいるのだ。飲まず食わずで三徹、しかも不二子もいないとなるとさしものルパンも憔悴してくる。次元はどちらかというとタバコが切れてしまったことの方がダメージらしい。

「その、で、でにし」
「デニッシュな」
「でにしゅ、とかいう、べたべたと甘そうなそれがか。拙者パンなどというものは好かぬ」
「そーう言わずにさぁー。単純に考えておまえが一番エネルギー使ってんだからちゃんと食べなきゃダメでしょうがよ」
「おい、ルパン……」
「ハイッ」
地の底から這うような声にルパンが思わず背筋を正す。次元は血走った目でギロリと辺りを睥睨した。
「誰も食わねえなら、俺によこせや……」
「じ、次元ちゃん、お顔が怖いよ」
「別に拙者は支障ない。次元にくれてやれ」
「いやまあそりゃねこうなってからおまえ明らかに呼吸数減らしてるし無駄な動きししないし絶食する気満々なんだろうけどさ、オレはこれ3つに割って食べようねって言ってるんですけど。公平に」
「じゃあ俺が2つ食えば丸く収まるな?!」
「収まってねえから!!」
不公平の極致!
ルパンは大袈裟に叫んでそれから、ゆっくりと横に倒れた。ついに限界である。
「あー。もーだめ。もう考えられない。死ぬ」
「死ぬなら死ね。食いもんはよこせ」
五右衛門は瞑想だかヨガだか始めやがってもはや人の話を聞く気もないらしい。世知辛え。
20141030
ただじっと待つだけの人

1年ぶりの仕事の前に、五ェ門が髪を切った。

「どしたのその頭」
「山籠りを3月ほど続けていたら酷い有様だったものでな。ここは一仕事する前にバッサリ行くのも良いかと」
「あ、そう。修行の方はどんな塩梅?」
「良くも悪くも」
「さよけ」

ルパンは初めそれだけ言った。
以前はろくろく手入れのされていない蓬髪が首筋のあたりまで伸びていた。男にしては長すぎたが不衛生と言うほどではない、そもそもあいつは風呂好きの滝行フェチだ。日に3度は水に打たれるせいで、普通にしてると汗の臭いもとんとしない。
言葉にしたわけではないがルパンは侍のそういうところ気に入っているらしかった。でなければ全てのアジトに畳を敷いて、布団を用意したりはすまい。
いつもふらっといなくなる侍をどうにか手元に置いておくためにルパンは様々な工夫を楽しんでいる。



ルパンの様子がおかしくなったのは、ざんばら頭を見かねて簡単にだが整えてやったときだ。職業柄散髪屋に行けない心境は共感できるので、長ドスで切っただけのひどい襟足にハサミを入れ、まっすぐな項がそれなりに見られるようにしてやった。
「お前さん毛が柔らかいな、切りやすくていい」
「そうか?しかしやはり違うな、首筋の違和感もなくなったぞ。うまいものだな。次元、手間をかけた」
ぺこりと頭を下げられて悪い気はしない。ま、いいってことよ、と返して始末をする。
もともと東洋人にしては上背がある男、髪を短く切ればそれはそれでなかなか見栄えがする。シェーバーがあれば襟足を刈り込んでやるところだが、根っからの完璧主義が疼き出す前にさっさと手を引くこととする。
「何かコツでもあるのか」
「コツッてもなあ、さすがのお前でも後頭部までは見えねえだろうよ。ま、また切りたくなったら言いな」
「駄〜目だっ!!!!」
唐突にリビングの扉がばたんと開き風圧がまともに来た。切った髪を捨てた後でよかった。
「お、おいルパン」
「いいか五右衛門、お前もう髪を切るな」
「あ?」
「ハァ?なんだお前まさかそんな趣味が」
「ちがーーう、そうじゃねえけど、とにかく五右衛門はもう髪切ったら駄目だ!!」
ああいつもの、アレ、か。
ルパンの奴はときどきこうなる。仕事がうまく行っていない時、家具の配置、カーテンの柄、靴の並び、酒の本数など、とにかく細かい物事が癪にさわって仕方がなくなる。集中力が切れているんだか、神経が張り詰めすぎてそうなるんだかわからんが、もはや病気の域である。この前なんかは「どうしてもソ連製の石鹸が無けりゃあ髭をあたれなくて駄目だ」と喚いて二進も三進も行かなくなった。状況が動いて本人さえ落ち着けばなんとでもなるのだが。
そんなことを知りもしない、ルパンに輪をかけてマイペース人間である五右衛門は、眉を顰めて言い放った。
「断る。髪は勝手に伸びるもので、俺がこれをどうしようと、指図されるいわれはない。だいたい仕事の話はどうした」
計画のスタートが遅れているのはルパンが下準備に手間取っているせいだ。この3日ほど籠りきりで何かを作っているらしいが詳しくは俺も知らない。五右衛門は前髪が短いぶんいつもよりはっきり見える三白眼でルパンを睨めつけている。
「……まだ完成してねえ。あと数日だ」
「白けるな。これ以上待たされるようなら俺は降りる」
「だーっ!!そんなに文句言うならなあちょっとくらい協力しろよ!!チクショウ!!」
ルパンはばたんと大袈裟にドアを閉める。扉の向こうからシクシク口で言うのが聞こえた。
「あやつそれほどまでに俺の頭髪を気に入っていたのか……正直心底気味が悪いな……」
「さあなあ……」


20141026
美しい日々2

ロックの同居人は、割とクズだ。
割とというか実質かなりクズだと思うのだが、仮にも身内の選んだ恋人、しかも会ったこともない人間のことをクズ呼ばわりするのは気が引ける。
しかし話を聞いただけで顔も見たくないという気分にさせられるのだ。ロック曰く、そいつは無認可の運び屋をやっていて、何を運んでいるのかは定かじゃない。しかもやりかたがまずいので同業者からは煙たがられており、スクラップ寸前のポンコツで何度か事故もやらかしている。大酒飲みで血の気も多く、トラブルの耐えない乱れた私生活。調べたところによると女関係もだらしがなく、そう、よりにもよってそいつは男だ。
ロックの口からはそいつを辛辣に評する言葉ばかり飛び出すので、ロックに限って嘘ということはまずあり得ないだろうと思いつつ、探偵を雇って調べさせた。結果ロックの言っていることはほぼ真実そのままで間違いないことがわかった。同居人である青年のことだけ奇妙にも全く足取りが掴めなかったのはさすがというべきか。
本人、隣人や大家の話を聞くと、かなりひどく扱われているらしいことは容易に想像できた。大声で怒鳴っては硬いものを投げる音が響き渡るのは日常茶飯事で、金をよこせと衆目で罵り殴る、女を連れ込む、借金取りの相手をさせる、エトセトラ。ここまでフルコースでクズじゃなくてもいいだろ、というくらいど真ん中のクズだ。
だがロックは全くこたえたようすもなく、会うたびにこにこと笑っていた。以前はそんなに笑うひとじゃなかった。何が楽しいんだかよくわからない。マゾなのか。
「いい加減にしろよロック。どういうつもりなんだ。見てられないよ」
昨晩はついに寸借詐欺の真似事までさせられた、というような内容を、話のついでで言われた事に俺はそれなりにショックを受けて苦言を呈した。ロックが傾げた首、シャツの隙間から青黒い痣が覗いて奥歯を噛む。
「なぜお前がそんなに痛そうな顔をするんだ。ぼくは全然傷ついちゃいないよ」
「わからない。時間の無駄じゃないか。あんな、男に拘って」
「ふふ。そんな言い方をするものじゃない。彼もかわいそうなひとなんだ」
ロックはなぜか笑った。空虚な笑顔だ。本気でそう思ってるならそんな顔にはならないはずだ。本当に、何を考えているのかさっぱりわからない。
「ロックが身を投げうつようにしてあんなのを、誰かを救うことなんてないんだ。あなたは幸せにならなくちゃいけないんだよ」
「どうして」
「どうしてって」
彼は歌うように言う。
「ぼくは幸せになんかなりたくないのに」
俺はその一瞬だけ、ロックが心底恐ろしくなった。





数ヶ月後、ディナーに遅れてきたロックは喪服を着ていた。
「あの人死んだんだ」
「苦しんでね。最後までお姉さんのことを呼んでた。かわいそうに」
「……」
「クーガー、ありがとう。ぼくを傷つけないようにずっといてくれて」
ロックはふふふと笑う。小さく切った鴨を、ゆっくりと運んだ口にはあまり色がない。
「彼にとってほんとうに欲しかったのはぼくじゃない。始めからぼくは代用品だった。それで構わなかったんだ。そうあることを望んだのはぼくだから。ぼくは彼への憐みを消費する必要があった。理不尽で矮小な暴力に耐えてみる傷つけられている自分を俯瞰する"必要があった"。そのためにはなるべく情けない状況を作らなくちゃいけない。愚かなのはぼくで彼ではないと思い込まなければ」
突然ぽつぽつと始まったロックの話に俺は黙って耳を傾けた。
「ひとはなぜ異性の自慰を性的な娯楽として楽しめるのだと思う?」
「は?」
「常に"もたらす側"にいたいのなら、なぜポルノに男優が必要なのだろうと考えたことはある?」
目先の変わったことに瞬くしかできない俺を、ロックはまたあの笑顔で笑う。
「ひとはみんな多かれ少なかれ、"される側"に感情移入するのさ」
彼はくすりと笑った。
愚かな女のような真似事をしてまで得たかった結論とは思えないが、ロックはそれ以上語るつもりはなさそうで、ワインをすこしずつ呑んでいる。俺はもうデザートなんだが。
「俺はさ、ロック」
「うん?」
「あんたが、ひとが思うほど器用でも、繊細でもないことも知ってる。だから言わせてもらうけど、そういうやけくそみたいなやりかたで、何を測れるって言うんだ。どうせ途方にくれるだけなら」
「クーガー」
ロックの声のトーンが俺を叱りつける時のそれになった。余計な口を利くなということだろう。条件反射的に背筋がぞくりと震える。こういう時だけ上から目線だ、ほんと勘弁してほしい。
「ぼくは退屈がおそろしい」
不意にロックは俺の知らない顔でそんなことを言った。そうやって線引きをしようとするのが彼の常套手段だ。知ってはいるけどすこしたじろいだ、このひとは基本的に俺に対してそこまではしない。ということは、かなり怒らせた、ってことだ。情緒不安定過ぎるだろ、さっきまであんな上機嫌で、って、ああ、そうか。
「俺はあんたが心配なだけなんだけど。かなりマジに」
それだけ言うと、ロックは、はっ、と目を瞠った。
赤の他人の心配をするっていうのはある意味娯楽に近くて、ロックにしてみりゃ世界人類の99.99%が真っ赤な他人に過ぎない。どうしようもない空しさを、そういうゲームで濁そうったって、そう簡単にはいかないんだよ。
「……」
「反省した?」
「……すこし」
そう呟いたロックは、いつものロックだった。不器用で優しくてそのくせちょっと狡っからいだけのひとりの人間。
やりすぎなんだよ。ばかだなあ。そんなにしんどいなら、止めときゃいいのに。せめて犬飼うくらいにしとけよ。変な男じゃなくてさあ。だいたい露悪的なのがサマになってないんだよ、誰の真似事か知らないけど。
そういうもろもろの小言を飲み込んで、俺はロックのためにワインをひとつ追加でオーダーしてやった。



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これが悪化するとエーリカたんに進化するのであった。
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